エコキュートの「裏ワザ」って?
トップが変革に対して本気の思いを持っているとき、こういう本当に数パーセントの人々の存在があるかどうかが、改革の成否を左右する決定的要素になってしまうのである。
企業のなかで大きな影響力を占めるのは、当然のことながら「管理職」である。
したがって、トップが改革のリーダーシップをとろうとするとき中心になって動くことを期待する対象は、ごく普通に考えれば管理職である。
もちろん、変革をしたいという社長の期待にそのまま応えられる「管理職」が十分にいると自信を持って言い切れるトップはそうはいない。
その多くは「今の管理職では自分の期待に十分に応えるだけの力量はない」と思っている。
しかし、だからと言って他に選択肢があるわけでもない。
現在の管理職以外に自分の変革に対する思いを一緒に実現してくれる人が見当たらないのだ。
結局、きわめて消極的な理由で管理職に変革への期待を託してしまう、というケースが圧倒的に多いように思う。
そして、こういうケースではほとんど例外なく変革はハード上の制度レベルの変革にとどまっている。
つまり、仏はつくっても魂のまったく入っていない変革である。
こういう変革では人々はけっして自分の頭で考え、行動し、シナリオを自ら進んで立てるようにはならない。
「なぜ」という問題の本質を探っていくようにもならない。
つまり自分なりの変革のストーリーを持てないのだ。
結局、みんな今までと同じやり方で指示された通り、過去の延長線上の仕事をしてしまっている。
それは一体なぜなのか。
自らシナリオを描ける人材を発掘し、育てるではどうすればいいのか。
組織のなかには自らシナリオを描くことのできる変革型の人間はいる。
しかし、残念なことに一般的な評価という尺度で見ると問題を抱えていたりすることが多い。
つまり変革型としては埋もれている人材群である。
もう一つ大切なことは、今、現在は管理型にしか見えない管理職のなかに、意外にも、状況が変わり本人が自ら事の大切さに気づいたときは変革型に大きく変身していく人が結構いる、という事である。
理由は実は簡単で明白だ。
現在の管理職の多くが期待に応えられるような、自らの「思い」で動く「変革型の人材」ではなく、組織や上の考え方を探りながら動く「管理型の人材」だからなのだ。
トップが変革を考えるとき、どうしても避けて通れないのが、管理職の多くが変革型でなく、自ら変革のシナリオを描いていく力を持たない現状維持型、もしくは管理型の人材でしかないという事実である。
あるいは変革型の要素を持ってはいても、管理職として現状を維持する役割を持たされているうちに、その要素を自ら消し去ってしまっている、というところに変革が進まない根本的な原因がある。
よく考えてみれば、今は管理型に見える人たちも何も好んで管理型になっているわけではない。
そのように教育され、育てられてきた結果なのだ。
そのなかには骨の髄までは権威主義、形式主義になりきってしまっていない人も結構いる、ということなのだ。
したがって、まず最初にはそういう埋もれた人材の発掘から始める。
今までに目立たなかったが力のある人材、声は大きくないが実は問題意識をしっかり持っている人材、バランスのとれていない部分があって不満分子のように見られる。
評価は現時点では高くないが、問題意識が強くて伸びる可能性のある人物、今は管理型だが変身していく可能性のありそうな管理職を発掘する。
この発掘には「目」が必要だ。
それなりの経験もいる。
この「目利き」の存在がある意味では決定的な要素になる。
組織の内部で変革型の人材の素材を見分ける「目」を持っている場合はそれでいいが、十分でないときは外部の助言も必要だろう。
変革型の人間を発掘するには、変革型の可能性のある人間に実際に変化していくチャンスと場を提供し、サポートすることが大切である。
状況によってやり方はさまざまでよいのだが、変革型リーダーになりうる可能性のある人々は問題意識は強いが、かと言って何が本当に問題か、が必ずしも見えているわけではない。
そういう場合には、何が本当の問題なのかを探っていくための情報、シール等によるサポートが必要だ。
また、何が本当の問題なのかを知るためには、幅広い情報も必要である。
実際に問題に直面して現場の情報を持っている人々と話し合えるような協力関係がなくては本当の問題は見えてこない。
これらの人々と協力し合えるような関係をつくる条件の整備をサポートすることが必要なのだ(場をつくるサポート、管理職への連絡や理解を仰ぐなど)。
変革のために必要な「ものの見方」の整理や概念の整理、価値観の整理をするためのサポートも必中核になる変革型の人材が育ってきてそれなりの変革の実績もついてきたら、まず管理職のキーポジションを変革型の人間に替えることから始め、管理職というのは自ら変革のシナリオを描くことのできる変革型でなくてはならない、という原則を明確に示すことが必要だ。
もちろん、今日の生産、今日の販売、のようなそれほど変革的要素を必要としない部署には、比較的安定的な変革型の人材を置けばいいし、大きく変革を必要とする部署にはそれなりの人材を配置すればいい。
要は適材適所なのだが、管理型で権威主義的な人材については、その人がいかに優秀でもマネジメントをする立場から決別させる勇気をトップは持つ必要がある。
要になる。
頭のなかを整理しわかりやすくしておくことは、自らの判断を助けるし、自分の言いたいことをシンプルにわかりやすく表現することにつながる。
つまり、変革のためにはそれなりの学習が必要なのだ。
残念なことに変革のモデルはまだまとまった形でわかりやすく説明されているとは言い難いが、それでも少しずつ整理はされてきている。
そう情報を「できるだけ自ら動きながら考える」という動画的な状況で受け入れることができるとそれは武器になる。
Tが常に進化し続けているその理由は、まったく問題がないように見えるところに大事な問題を見つける目を持った人物が組織のなかに十分にいる、という点にあると私たちは考えている。
問題を見る目を持った人間が育っていないと「気楽にまじめな話」をしていても最初のうちはそれなりに楽しくてよいのだが、それ以上は発展していかず、結局、単なる雑談会に終わってしまうことになる。
「気楽にまじめな話をする場」はお互い同士を話し合えたり相談し合える関係にする、という意味で大切なのだが、同時に話が常に発展していかないと長続きしにくい、という特性も持っていないからだ。
問題を見る目を養うことは、この話を発展させていくキーでもあるのだ。
問題があるということと問題を感じることは違う。
問題を見る目を養うためには、まず問題を感じ取らなければならない。
例えば、在庫が山になっているのを見て「生産量も上がっていて、よくやって溜めているな」と感じるのか、「ずいぶんムダがあるな」と感じるのかは、見る目の差、つまり一種の価値観の差なのである。
もう一つ例を挙げてみよう。
仕事のよくできる上司がいるとする。
上意下達の世界ですべて彼の一存で物事が決まり、みんな夜遅くまで頑張って残業をし、一生懸命に働いている。
成績は伸び悩んではいるが、そこそこの状態である。
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